2022.09.19

空き家を活かす!空き家の理由と対応方法『家財が残っている』編

少し古いデータになりますが、平成30年住宅・土地統計調査によると
兵庫県内の空き家数は約36万戸となっています。
また、県内の世帯数については、2040年には2015年よりも
約14.2万世帯が減少すると予測されており、
住宅総数がそのままと仮定すれば、
2040年には県内の空き家が50万戸以上となってしまいます。

そのような状況下で、空き家のままにしている大きな理由の一つとして
「家の中に家財道具が残っている」という現状が挙げられます。

1.家に家財道具などが残っている。

元々住んでた家や相続してそのまま放置している実家、
「空き家のままではダメだ、何とかしなければ」
とは前々から考えているけれど、
家の中には家財道具や遺品などがまだ残っているから、
空き家の活用や売却処分も出来ないというケース。

◆室内には室内にはもう必要なものは残っていないけれど、
処分業者などに依頼すれば費用がかかる。
◆自分で家財処分を行うにはとてもじゃないけど荷物が多すぎて大変。
◆リサイクルショップや各種買取業者に相談しても殆ど値段がつかず、
処分費用の方が大きく掛かる。
◆処分費用は高いけど、自分達でするもの手間隙がかかり、
結局そのまま手付かずの状態で何年も経っている。

このような状況になっている空き家所有者の方は多いのではないでしょうか

 

2.空き家に残地されている家財などの対処方法

ここでは、一般的に考えらえる不要になった家財の処分・対処方法についてご案内致します。

A)自分達で処分する。
この方法はとても手間暇がかかりますが、
最も安価で費用負担少なく済むことは言うまでもありません。

また、空き家(住宅)の所有者がその空き家内のゴミを処分する場合は、
原則、家庭ゴミとして取り扱われるため、
地域のゴミステーションでの処分が可能です。
(ゴミ処分を業者に依頼すれば、空き家のゴミや家財道具が産業廃棄物となり、
ゴミステーションでは処分できません。)

A)-1 処分方法
処分方法は、割れもの・プラスチック類・燃えるゴミなどの
小物についてはそれぞれ分別を行い、
指定曜日の朝に地域のゴミステーションに捨てに行くのはどこの地域も同じかと思います。
大型ごみ(家具等)については、地域の環境局などに事前連絡を入れて
指定場所(ステーション等)に持って行き、何回かに分けて家財を処分します。

この方法は、現在お住まいのご自宅から空き家までの距離が近ければ、
頻繁に現地へ出向き対応可能ですが、遠方にお住まいの方にとっては
ゴミ捨てだけの為に現地へ何度も行くことは非効率なため、実際は困難です。

また、地域のゴミ出しのルールとして、
一度に多くのゴミを出すことを禁止しているケースも多く、
少しずつ何回も捨てに行く必要があります。

尚、まとめて大量のゴミや家財を処分したい場合は、
レンタカーなどでトラックなどを調達して運搬し、
地域指定のクリーンセンター等へ直接処分する方法もあります。
いずれにしても自分達で処分することを選択する人は、
ご近所にお住いの方や日常の時間にゆとりのある方など、限られた人かと思います。

 

B)処分業者に依頼する
これが最も多く選択されている一般的な方法です。

また、処分業者も大きく分けて「家財処分専門業者」と
「リサイクル業者」の2つに分かれます。
違いは「処分」「買取」“どちらを主たる業務としているのか”です。
近年は、両社の違いはあまり無くなっていますが、
家財処分専門業者は処分業務を主としており、
家財などの種類や内容により買取りも行うというスタイルです。
また、リサイクル業者は買取りが専門ですが、
買い取ることが出来ない残置物も買取り商品と一緒に
撤去・処分してくれるスタイルです。
近年は、両社に大きな違いは殆どなくなってきており、
ベースは家財や残置物の物量と分別作業量によって金額が決定します。

尚、一般的に、処分業者に依頼した場合の費用は概ね以下の通りです。

【一般的な住宅規模の場合】
◆家財一式(家具・家電一式)及び小物やタンス・収納内の荷物も全て残っている場合。
(例えば、相続した実家の両親が住んでいたそのままの状況の荷物が残っている場合)
費用:約30~50万円

◆家財一式(家具・家電一式)のみの場合。
(小物や収納内の荷物は全て整理処分している場合。)
費用:約10~20万円

物量と作業手間にもよりますが作業期間は長くて2~3日程度、
短ければ半日で終わります。
基本的には処分業者も短期間で複数の人員を注ぎ込み、早く終わらせようとしますが、
依頼者側が作業完了時期の制限を設けないのであれば、
業者側の作業員の空いてる時間に小分けに作業を行う方法で、
少し安価に対応してもらうことも可能なケースがあります。
処分費用については、業者によって価格差がある場合があることから、
ご自身でお探しになる場合は、複数見積もりは必須です。

C)空き家に残地している家財で必要な荷物がある場合は
トランクルームをレンタルして保管する。

街中で見かけるコンテナハウスのようなトランクルームがこれに該当します。

また、近年では、ビル一帯が高性能なトランクルームになっていたり、
空調機能が付いた保管庫やセキュリティ設備が整ったものなど、
保管するものや利用用途に合わせた様々なトランクルームが増えています。
費用については、立地・面積規模や設備機能などにより様々ですが、
安ければ5,000円/月程度からあります。

 

参考)建物を解体する場合の空き家に残地している家財の取扱い方法について。

古い空き家を解体する場合、空き家の中に家財などが残っている場合は、
原則、解業者より、事前に家財の撤去・処分を求められます。
依頼者側からすれば、「どうせ、解体するのだから家の中の家財道具なども
一緒に処分してくれればいいのに。」と思いがちですが、
事前に解体業者から処分を求められる理由は、
ご周知の通り、近年、ゴミ処分については細かな分別が必要となることから、
家財が残地されている状態で解体を開始すれば、後の分別作業が大変となるため、
基本、解体業者は室内に残置物がない事を確認してから解体を行います。
ただ、木造一戸建て住宅の解体の場合、解体業者によっては木製家具などであれば、
そのまま置いていても良いというケースがあります。

 

3.家財道具や荷物の処分や移設で空き家を有効活用


上記、それぞれの家財処分の対処方法は、
空き家をお持ちの方のご事情などによって選択肢が異なると思います。
また、業者に依頼したり、トランクルームをレンタルする場合は、
共に費用負担が発生します。
例えば、家財が無くなった空き家を賃貸活用行えば、
賃料収入で家財処分費の捻出やトランクルームのレンタル料などの費用程度は
十分賄うことが可能です。
また、家財が残っていた当時は空き家へ定期的に行き、
空気の入れ替えや通水、その他庭の植栽の手入れなど、
維持管理を行わなければなりませんでしたが、
賃貸活用することで管理手間もなくなります。
賃貸を希望されないのであれば、売却処分でも良いと思います。

 

4.最後に・・
「空き家にそのまま放置している家財を何とかしたいけど・・・、どうしよう。」
と悩んでいるだけでは解決致しません。
どの処分業者に依頼すれば良いのか分からず不安だ、
又は、どの方法が一番望ましいのか判断できないとお考えの方もおられるかと思います。
そのような方は、どうぞ、ご近所の不動産会社にご相談してみて下さい。
何か良い方法を提案してくれると思います。

もの余りの現代社会、不動産も物品も所有や保管しているだけでは
価値を見出せなくなりました。
使用してこそ利用価値が生まれる時代です。
「所有価値より利用価値」「物の整理は心の整理」その通りだと感じます。

 

 

 

◆関連コラム

・相続した実家を貸す時の注意点
https://iekashi.com/news/column/250.html

 

・自宅(一戸建)を賃貸するときの疑問にお答えします。
https://iekashi.com/news/column/277.html

令和2年度第3次補正 事業再構築補助金により作成